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Philosophy 心に響く言葉

スクリュー・プロペラ の誕生

開発にまつわるエピソード



船のスクリュー・プロペラの開発は
1730年代から始められたと言われている。

当初はネジのように長い螺旋型のものがよく使われたが、
船の推進には 羽根が長い螺旋ではなく、
短い翼型をした羽根のほうが効率がよいことがわかり、
現在のようなスクリュー・プロペラへと発展した。

これにはちょっとしたエピソードがある。

イギリス人技術者フランシス・スミスと
スウェーデン人技術者ジョン・エリクセンは
1835年頃、
船のスクリュー・プロペラの開発を行っていた。

1836年、
螺旋が2回転、
すなわち2ピッチの木製スクリュー・プロペラを

6トンほどの汽船に取り付けて実験を行っていたところ、
突然その一部が欠けてしまった。

しかし、その途端に船のスピードが速くなったという。

まさに怪我の功名とも言えるが、
新しい技術の開発過程では往々にして現れるラッキーチャンスである。

こうしたチャンスに巡り合える人は、
必ずと言ってよいほど、

地道に好奇心と粘り強さで開発を続けてきた人

であるから、

努力こそ成功への道である
ことを示している


「船のしくみ」
  大阪府立大学工学部船舶工学科教授 池田良穂著
   より引用